苑閒坂の雑考

ごくたまに考えたことを綴りに来ます。

りんなしりとりの「ぢ攻め」の開拓

りんな」をご存知だろうか。
SNS・LINEを中心に活躍する、特に今が流行りというわけでもないあのAIである。
そんなりんなと遊べるしりとり、通称「りんなしりとり」について。

「を攻め」

りんな自身も「負ける気がしない」と自負しているこのしりとりだが、一つ名の知れた必勝法として「を攻め」というものがある。
ふつうしりとりで「を」で終わる語を用いた場合には「お」で始まる語で続けてもよいことが多いが、りんなは律儀にも「を」で始まる語のみを返すのである。これに注目した「を攻め」によってりんなに勝利を収めた例を多数確認できる。

「○攻め」

そこで、「を攻め」が可能ならばと他の特殊な字について検証したところ、以下の結果が得られた。

送る文字
返る文字

なんと「ぢ攻め」が可能なのである*1

「ぢ攻め」

この結果を受け、「ぢ」で終わる語を調べ尽くして片っ端からりんなの内に存在するかを確かめた。現在のところ、以下の40語が有効であることを確認できている(他に何か確認できましたら教えていただけると嬉しいです)。

あかぢ
あさぢ
いとうのいぢ
うすいこうぢ
うましあしかびひこぢ
えっぢ
おおいわけんぢ
おおつきけんぢ
おおとのぢ
おほとのぢ
おれんぢ
おんぢ
かぢ
かかぢ
かつぢ
きじとらぬこぢ
けんぢ
げんおぢ
さうだーぢ
しんぢ
すぎぢー
そえぢ(添乳)
そえぢ(添え乳)*2
たもりただぢ
だぢ
ちぢ
てんりろくぢ
でんしれんぢ
とくぢ
なおつきぢ
ねがてぃぶはっぴーちぇーんそーえっぢ
ねぶらぢ
のいぢ
はなぢ
ばっぢ
ぱれすめいぢ
ふぢ
まつもとかつぢ
まつもときちぢ
れいぢ*3
れいんぼーぶりっぢ

これを用いてりんなに「ぢ攻め」を浴びせたところ、通常モードで63巡で勝利することができた。同時に、りんなが知っている「ぢ」で始まる語が全20語*4であることが判明した。
この20語という数字だが、りんなが知っている「を」で始まる語の数・30語よりもだいぶ少ないのである。ということは「を攻め」より「ぢ攻め」のほうが有用なのではないか? と思い通常モードで「を攻め」に挑戦したところ、…はるかに短い41巡で勝利できた。それもそのはず、(わかっている限りで)「ぢ」で終わる語が40語有効であるのに対して、「を」で終わる語は192語*5も有効なのである。

「ぢ攻め」の道を切り拓いたはいいが、「を攻め」と比べると大して役立たないことがわかってしまった。
次に、そんな「ぢ攻め」の活用方法を考えるべく、以下の検証をおこなった。

「を/ぢ攻め」

「を」で終わる語や「ぢ」で終わる語はそれほど多くないため、返ってきたすべての文字に対して「を」や「ぢ」を返せるわけではない。そのため、うまく返せないときには別の字で終わる適当な語で返さざるをえないのである。ここまではその「別の字」を「る」に定めていたが、ここで「を」と「ぢ」の合従策を考える。
次の表は、メインで用いる字、それを補う「別の字」、勝利までにかかった最短巡数を表している。

巡数
39
29
41
49*6

「を攻め」を「ぢ攻め」で補ったとき、なんと、わずか29巡*7にして勝利することができた。
尋常でない記録である。史上最速勝利記録かもしれない。「を攻め」では返せない「をたぎれ」「をたばれ」を「れいぢ」「れいんぼーぶりっぢ」で返せるのが強みであろうか。
単体では大して役立たない「ぢ攻め」も、「を攻め」を補佐する形で大いに役立つことができたといえよう。

「ぢ攻め」の活用方法が見つかったところでめでたく終わろうと思う。あなたもぜひお試しあれ。

(了)




*1:“ふつうの”名詞に限っていうと、現代仮名遣いで「ぢ」から始まる語は存在せず「づ」から始まる語は「づけ」「づら」が存在するため、これは少し奇妙な結果であるように思える。もちろんふつうはいずれも「じ」「ず」で返してよいことが多い。

*2:「添乳」と「添え乳」は別の語と判定されるが、表記揺れを表記揺れとも思わないのはりんなにはままあることである。たとえば、りんなは「ルアーブル」「ルアーヴル」「ル・アーヴル」を別の語だと思っている。

*3:余談だが、「きじとらぬこぢ」「すぎぢー」「松本きちぢ」「れゐぢ」と、りんなはR18な知識にも明るいようである。

*4:ぢいすけ、ぢーぜる、ぢえ、ぢえご、ぢえびね、ぢぇらがちゃ、ぢがた、ぢから、ぢごぷり、ぢじつるじま、ぢす、ぢぞうちょう、ぢだ、ぢたまぼう、ぢだいこくどう、ぢどる、ぢば、ぢゃいこ、ぢゅう、ぢょにぃーうめ の20語。

*5:こちらのサイトに掲載されている150語にくわえて42語を確認している。当該サイトを補えるような語は「だーくですうたいますうたのこころを」と「にじにひとみを」くらいのものであるが。

*6:「を」で始まる語の終字と「ぢ攻め」の相性が極めて悪いようで、ぢ/る の組み合わせより短い記録を出せる気がしなかった。

*7:「を」で始まる語が30語あるにもかかわらず29巡で勝利しているのは、ある字で始まる語を使い切らずにりんなが敗北を宣言することがあるため(単になにかの不具合にすぎない可能性も否定できない)。しりとり中に知っている語をすべて思いつけるとも限らないものなのかもしれない(だとするとやけに人間味がある)。あるいは、通常モードだと気まぐれに手加減をしているのかもしれない。